アルバの今日の話

これまでの私のいろいろな物語をお話にしていきます

忘れていたクリスマス

子供の頃はあんなに楽しみにしていたクリスマスも、社会人になってからはほとんど興味がなくなっていました。

私はスーパーで働いているので、そもそもクリスマスといえば猫の手も借りたいほど忙しい時期です。

クリスマス前後はあまりに忙しすぎて従業員全員が強制出勤と決まっているので、「クリスマスくらい特別な気分で楽しみたい」という甘えも通用しません。

 

去年のクリスマス当日も、私はお菓子コーナーで商品管理や補充をしていました。

子供向けのお菓子詰め合わせセットや、クリスマスパーティーを想定して普通のお菓子の入荷量も普段の何倍もの量になっていました。

子供も大人も、次々とお菓子を買い物かごに入れていきます。

特にスナック菓子の類はあっという間になくなってしまうので、こまめに補充しなければいけません。

 

商品の補充をしている時、近くに幼い女の子とおばあちゃんがやってきました。

女の子は、並んでいるお菓子をじっと見つめているようでした。

そして、お気に入りのお菓子が見つかったらしく「おばあちゃん、あれがいい!」とおねだりしていました。

おばあちゃんは「○○ちゃんはこれがいいの?それじゃ、おばあちゃんからのクリスマスプレゼントね」と言い、お菓子を買い物かごに入れていました。

女の子はとても嬉しそうにしていました。

 

忙しさの波に飲まれてクリスマスの楽しみをすっかり忘れていた私にとって、羨ましいというよりはなんだか懐かしい光景でした。

子供の頃の楽しみを思い出し、今年のクリスマスも誰かの楽しみになれるようお仕事を頑張ろうと思います。